ハラスメント対策の法的義務

事業主は、セクハラの防止や対策に関する体制整備など、具体的な措置を講じることを義務づけられております。

またパワーハラスメントも、近年のうつ病増加に伴い、事業主としては予防していくことを推奨されております。

 

男女雇用機会均等法 第11条(2007年4月改正)

事業主は、職場において行われる性的な言動に対する その雇用する労働者の対応により
当該労働者が その労働条件につき不利益を受け、又は 当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されること のないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応する
ために必要な体制の整備、その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。


■事業主が雇用管理上措置すべき事項

事業主は、企業の規模や職場の状況に関係なく、職場におけるセクシャルハラスメントに関し、雇用管理上講ずべきものとして厚生労働大臣が定めた指針9項目の措置を必ず講じなければなりません
なお、派遣労働者については派遣元事業主のみならず、派遣先事業主も措置を講ずる必要があります。


■事業主の方針の明確化および周知・啓発

1)職場におけるセクシャルハラスメントの内容・セクシャルハラスメントがあってはならない旨の方針を明確化し、管理・監督者を含む労働者に周知啓発すること。

2)セクシャルハラスメントの行為者については、厳正に対処する旨の方針・対処の内容を就業規則等の文書に規定し、管理監督者を含む労働者に周知・啓発すること。


■相談・苦情への対応

3)相談窓口をあらかじめ定めること。

4)相談窓口担当者が、内容や状況に応じ適切に対応できるようにすること。
また広く相談に対応すること。


■事後の迅速かつ適切な対応

5)事実関係を迅速かつ正確に確認すること。

6)事実確認が出来た場合は、行為者及び被害者に対する措置を適正に行うこと。

7)再発防止に向けた措置を講ずること。(事実が確認できなかった場合も同様)


■プライバシーの保護など

8)相談者・行為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ、周知すること。

9)相談したこと、事実関係の確認に協力したこと等を理由として不利益な取り扱いを行ってはならない旨を定め労働者に周知啓発すること。

2016.3 男女雇用機会均等法を改正する法律等が公布

マタハラ防止措置義務が新設された。平成29年1月1日から施行。

2016.6 LGBTに対する性差別的な発言もセクハラ

厚労省が6月の審議会でLGBTに対する性差別的な発言もセクハラにあたることを均等法の指針に明記することを決めた。
 LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)ら性的少数者へのセクハラについて、企業は今でも指針にもとづいて対応する義務があるが、厚労省によると、性的少数者が相談窓口に行っても取り合ってもらえない例があるという。来年1月から適用されるとのこと。

セクハラ相談員がセクハラ!!(2010.9月)

県議会事務局は14日、同事務局の「セクハラ相談員」を務めていた管理職の男性職員(50代)について、セクハラ行為があったとして減給10分の1(1カ月間)の懲戒処分にしたと発表した。


同事務局によると、男性職員は5月以降、部下の女性職員に好意をほのめかす発言をするようになり、7月22日の職場の納涼会で、この女性職員に「(通勤で使っている)自転車をいつもあなたの自転車のそばに止めている」と言ったほか、女性職員が呼びかけに振り向かなかったため「そういう態度でいると(職場での)席がなくなるよ」と発言した。


翌日、女性職員は勤務を休み、上司が同25日に事情を聴いたところ、女性職員は「男性職員の発言で精神的苦痛を受けた」と訴えた。男性職員は「セクハラではないと認識しているが、結果的に精神的苦痛を与えたことは申し訳ない」と話しているという。

男性職員は4月から、セクハラ防止の啓発活動や相談を担当するセクハラ相談員を務めていたが、発覚後の7月末に交代した。


セクハラ相談員は99年4月に設置され、各部局の管理職らが1年交代で務める

柳原より一言

雑誌写真柳原2012.jpg相談員を設置したということで、形だけ整えるのは大変危険です!

ハラスメント問題というものは、被害者が相談した時の、初期対応の善し悪しによって、解決することもあれば、かえってこじれてしまうこともあります。

ハラスメント対策は形だけ整えても、対応がきちんとできていなければかえって逆効果になってしまう恐れもあるのです。

社内相談窓口を設置する場合は相談員にきちんとした教育を行いましょう。